2014年07月29日

知らないと損する扶養控除申告書の話!甲乙で所得税が変わる?注意点とは

「扶養控除申告書」一枚でこんなに税金が違う悲劇!!

昇給したのに手取りが激減の憂き目!!

かれこれ数か月前、うれしい知らせが届いた。

担当さん:「お給料を改定します!月額8,500円アップ!なのでこれからもがんばってくださいね!」
ワタシ:「えっ…まじで??給料上げてくれんの???ホント???」

「扶養控除申告書」一枚でこんなに税金が違う悲劇!!(廻込み2)これは数年振りの大事件!ずっと据置だった給料が上がる!毎日仕事がんばってよかったー!!と、うれしくて、うれしくて。そして、遂に給料日…ドキドキしながら給与明細を開いてみると…あれ、少ない…ていうか数か月前から少ない…いやいや数か月前から、ひかれてる額がでかいっ!所得税がいっぱいひかれてる…なっ、なぜだ…これは聞かねば…電話して…経理担当につないでもらって…

ワタシ:「あのぉぉ、今年に入ってから給料少ないんですけどっ!所得税、前よりたくさん引かれてるんですけど…。」
経理さん:「こちらはですね、扶養控除申告書が未提出なので乙欄で処理しております…。書類、ご提出頂いてますか??」

目次


※運営会社「日本リック」について
日本リックは1984年設立の総合人材サービス会社です。規模こそ大きくないですが、取引先企業や派遣で働くみなさんとの信頼関係を大切に、満足いただけるサービスを提供しています。
»日本リックの派遣の紹介ページはこちら

「扶養控除異動申告書」の基礎知識

「扶養控除異動申告書」っていう書類を出してなかった…

扶養控除申告書?なにそれ??そういえば、提出するように案内が来ていたような…。
「何度かご案内しましたが、ご提出がなかったので乙欄で処理してます。ご提出いただければ甲欄適用にしますので!」って。甲とか乙とかなにそれ?それで所得税変わるの?

「扶養控除異動申告書」が所得税の課税区分を決める!

なにやら「扶養控除異動申告書」は、所得税の課税区分を決める書類なんだとか。会社にこの書類が提出されれば「甲欄」、未提出なら「乙欄」が適用される。この書類ひとつで、所得税の控除額(ひかれる額)が変わるんだそうだ。通常、普通に1箇所はたらいているひとは「甲欄」。お給料の金額と扶養親族の数に応じて、源泉徴収税額が決まる。ただ、この税額で処理するには、「扶養控除等申告書」を提出していることが必要とか。「甲欄」を適用するには、「自分は扶養親族として○○を抱えてます」、ということを宣言、いやいや、書面で提出することが必要。もしこの宣言を怠ると、「乙欄」で計算されるという憂き目に。そしてこの「扶養控除異動申告書」、提出が認められるのはどこか1箇所のみ。ダブルワークなどで2箇所以上から給与をもらっていても、そのうちの1箇所にしか出せない。通常、この書類を提出した会社が、その仕事に主に就いていることになり、源泉所得税は、税率が低い「甲欄」として計算されるとのこと。

「扶養控除申告書」一枚でこんなに税金が違う悲劇!!(投稿内画像)

「甲欄」の人の場合

通常、その人の主たる収入を得ているところで働く人は「甲欄」。年末調整や確定申告で、所得税の計算をするとき、給与所得については、「給与所得控除額」という控除(最低65万円)や、扶養控除(1人あたり最低38万円)、そして扶養親族がいなくても引いてもらえる基礎控除(38万円)といった金額を控除した上で、税率をかけて税額を計算する。「甲欄」の人は、それを1か月あたりに引き直して算出された税額を引かれる。

「乙欄」の人って??

ダブルワークやトリプルワークなどで、複数からお給料をもらってる人、主たる収入を別のところからもらってる人、つまるところ、「甲欄」適用の主たる給与がある上で、別事業所からの給与をもらってる人は、「乙欄」適用。甲乙分けているのは、国は、二重・三重の控除になることで、本来より低い税額になってしまうことを避けたいから。そこで主たる給与以外は、こういった控除は一切なしという前提で計算することになっている現実。

「甲欄」「乙欄」の税額の違いはどこでわかる?

この「甲欄」と「乙欄」の税額の違い、 税務署で配布している「源泉徴収税額表」を見るとわかる。乙欄は甲欄に比べ、扶養親族に応じた計算ができないのはもちろん、そもそも金額がやけに高く設定されてる。

払い過ぎた税金を取り戻す方法

「扶養控除申告書」一枚でこんなに税金が違う悲劇!!(廻込み1)乙欄の場合は、たとえ年末まで在職していても、年末調整の対象とならない。正しい税額で税金を納める(余分に払った分を取り戻す)ためには、確定申告をおこなうしか道はないとか…。つまり、乙欄が適用される人は、通常、確定申告が必要な人といえる。2箇所以上から収入がある人は、迷うことなく確定申告必須!ここ、国の基本的スタンスなんだけど、「少なく取っておいて確定申告しなさい」といってもしてくれないと取りっぱぐれる。これを避けるための乙欄。「月々の税金は多めにもらうから、返してほしければ確定申告してね♪」となってるので、確定申告は必須だ。

「甲欄」と「乙欄」を間違えないで!

ここまで読んで「甲欄」と「乙欄」の違い、わかったかな?1箇所しかお給料をもらっていないというあなた、必ず「扶養控除申告書」を提出しましょう!

□ポイント
・所得税を「甲欄」で計算するには、「扶養控除申告書」を提出しよう
・扶養控除申告書の提出がないと税額の高い「乙欄」で計算されちゃう
・「乙欄」で多く取られた税金は確定申告をしないと取り返せない

最後に…

1箇所でしか給与をもらっていない場合、扶養控除等(異動)申告書を提出した方が、源泉所得税率が低いもので計算される。おまけに、年末まで在職していれば、会社で年末調整を行なえるので、自分自身の作業負担も軽減される。働いている会社へは、扶養控除等(異動)申告書を提出しなければ。

しかし、2箇所以上で給与をもらっている場合は、 1箇所しか扶養控除等(異動)申告書を提出出来ない。すべての源泉徴収票を使って、自分で確定申告を行わなくてはならない。確定申告を行えば、年間総所得による源泉所得税が計算されるので、払いすぎた税金も取り返せる(場合によっては納付になるときもある)。複数から給与をもらっているあなた、確定申告、忘れずに行うべし!

マイキャリア無料メルマガ登録
マイキャリア無料メルマガ登録 未経験から始める事務 未経験から始めるインフラエンジニア 未経験から始める法人営業 日本リック新卒採用情報
人気記事ランキング