2022年01月05日

失業保険を受給しながら派遣で働いても大丈夫?働くための条件・注意点など解説(前編)

派遣の仕事探しでも失業保険はもらえるの?

勤めていた会社を退職。「さぁ、次の仕事を探そう!」と転職活動をするとき、仕事が決まるまでの生活を助けてくれるのが「失業保険(失業手当)」です。
ですが、次の仕事は「派遣」で探したい。派遣で仕事を探すときでも失業保険ってもらえるのでしょうか?

前編(この記事)では、派遣に絞って転職活動をする皆さんが、失業保険を受給し続けるための条件や、働きながら失業保険を受給する条件について紐解いていきます。

※本記事で扱う「失業保険=雇用保険で受けられる給付の中の基本手当」を指しています。

目次

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失業保険ってどんなもの?

失業保険を受給しながら派遣で働いても大丈夫?働くための条件・注意点など解説(前編)

失業保険とは会社を退職し、離職した人が、1日でも早く新しい仕事に就けるように、最低限の生活を保障するためのもの。雇用保険の給付の中で、失業後の求職期間に受給することのできる基本手当のことです。
会社都合での失業はもちろん、自己都合で退職した場合でも、雇用保険に加入していて、受給要件を満たしていれば、ハローワークでの手続きを経た後に、受け取ることが可能です。

雇用保険の解説はこちら:
雇用保険とは?加入条件・保険料金・給付の種類などわかりやすく解説
社会保険の基礎知識!加入条件、種類、雇用保険との違いなど詳しく解説

失業保険の受給に必要な「働く意思と能力」

では、雇用保険に加入していて、受給要件を満たせば、誰でも失業保険(失業手当)をもらうことが出来るのでしょうか?失業保険を受け取るためには、実は条件があるんです。

その条件とは…仕事に就きたくても就けない状態であること。
つまり「働く意思と能力」がありながら就業できない状態にあること次の仕事に就くために求職活動を行っていることが条件です。

求職活動ってどんなこと?

求職活動を行うことが受給条件となる失業保険。とはいえ、求職活動ってかなり幅が広いですよね。失業保険を受給するためには、認められる求職活動と認められない求職活動があるようです。その違いを並べてみましょう。

◎求職活動として認められる活動

企業の求人に応募する
ハローワークの窓口で就職相談する
ハローワークや公的機関により、就職セミナーなどに参加する
許可や届け出のある民間セミナーに参加する(参加証などの証明書類の提出必須)
職業訓練に応募する
資格試験を受ける(受験票などの証明書類の提出必須)

×求職活動として認められない活動

求人情報を閲覧した
就職・転職支援サービスに登録した
知人に仕事紹介を依頼した
企業に求人の問合せをした

どうやら「見た」「頼んだ」「聞いてみた」レベルの行動では求職活動とは認められないようです。認められるためには「応募する」「相談する」「参加する」など、具体的なアクションが必要です。この点にも注意が必要です。

失業保険をもらい続けるためには

「求職活動として認められる活動」を行うことで、求職活動中と認められ、失業保険をもらうことが出来ます。
しかし、その後も失業保険をもらい続けるためには、ハローワークに実際に求職活動を行っていることを申告しなくてはなりません。

告知される「失業認定日」にハローワークに出向き、その日までの求職活動状況を報告します。そしてまた次の失業認定日に、その後の求職活動状況を報告。
失業認定日と失業認定日の間に最低2回「求職活動として認められる活動」を行っている
必要
があります。

派遣の仕事探しで失業保険はもらえるのか?

失業保険への理解、深まりましたか?それではいよいよ、「派遣」の仕事探しでも失業保険がもらえるのか?を見ていきます。派遣での仕事探しのプロセスに従って、紐解いていきましょう。

(1)派遣会社に登録

派遣での仕事に応募したり、紹介を受けたりするためには、派遣会社への登録が必要となります。派遣就業の第一歩となる「登録」は求職活動の実績として認められるのでしょうか?
結論からいうと、認められません!派遣会社に登録するだけでは求職活動の実績としては認められないのです!また、お仕事情報や求人情報を見るだけでは求職活動の実績にはならないようです。

失業保険を受給するための求職活動においては、応募の下準備や、問合せだけでは求職活動として認められないということです。
ただし、求人内容を詳しく聞くために「問合せ」をした場合は、求職活動の実績としてみなされるケースもあります。「職業相談」は求職活動としてみなされるからです。対面ではなく電話でも職業相談になるかは、管轄のハローワークによって異なります。心配な場合は管轄のハローワークに、前もって確認しておきましょう!

(2)派遣の求人に応募

派遣会社に登録しただけでは、求職活動にならないことは分かりました。では、派遣スタッフとして派遣会社のA求人に応募した場合はいかがでしょうか?
この場合は、求職活動の実績として認められます!

だたし、同じ求人につき求職活動としてカウント出来るのは1つまで。つまり、A求人の応募で1カウント。
A求人とB求人にエントリーした場合は、2カウントとなります。

求人の選考が進み、顔合わせも終了。無事に就業スタートになった場合は、失業保険の受給は終わります。失業保険を受ける期間中、早めに再就職が決まった場合は再就職手当が受け取れます。

(3)派遣会社の研修に参加

各派遣会社は登録している方々向けに「OAスキルアップ研修」や「面接対策講座」など、様々な「研修」・「講座」を行っています。実際にそれらの研修や講座を受講した場合は、求職活動とみなされるのでしょうか?

結論からいうと、受講する研修や講座の内容により異なります。

OAスキルアップ研修などは、「スキル向上」を目的としています。求職活動について指導・アドバイスを受ける内容ではないので、求職活動の実績として認められないのです。ですが、「応募書類の書き方講座」や「面接突破講座」など仕事に就くための方法やノウハウの指導・アドバイスを受けるための研修や講座は、求職活動の実績として認められます。

失業保険をもらいながら派遣で働くのはOK?

失業保険を受給しながら派遣で働いても大丈夫?働くための条件・注意点など解説(前編)

次の仕事が決まるまで、受給することが出来る失業保険。ただ、すぐにもらえるかといえばそうではありません。退職後、ハローワークに出向いて求職を申し込み、受給資格をもらわなければ、失業保険を受け取ることは出来ません。
また、申し込み後、全ての方に7日間の待期期間があり、その期間経過後に設定される失業認定日を経て、やっと失業保険を受給できます。

さらに、「正当な理由がない自己都合」で退職した場合は、失業認定日から2カ月間の給付制限期間がもうけられています。実際に失業保険を受け取れるのはそれからという現実。こうなってくると、

「失業保険を受けるまでに、派遣の仕事はしちゃいけないの?」
「失業保険だけだと生活厳しいから、派遣でこっそり働きたいけど…バレる?」

といった方々が出てきても不思議はありません。ここから先は、失業保険を受給するまでに、受給しながら働いてもいいですか?の謎に迫っていきます。

ルールを守れば大丈夫!

「失業中であること」と「求職活動中であること」の2つの条件を満たすことで受給することが出来る失業保険。この条件を見る限り、全く仕事をしてはいけないように思いませんか?
でも実際は、失業保険を受給しながら、仕事をしてはいけないという明確な決まりはありません。
何もしなければ無収入になり、生活が困窮してしまう場合も…そういった状況を回避するために、派遣やアルバイトは認められているのです。だたし、そこには守るべきルールがあり…そのルールとは…?

(1)失業保険の待期期間(7日間)は働かない

ハローワークで失業保険の手続き後、受給資格が決定した日から通算して7日間は「待期期間」となります。この期間は、自己都合・会社都合など離職の理由に関わらず「失業状態」でなければいけません。失業状態ですから、「短期」・「単発」といった期間、「パート」「アルバイト」「派遣」といった雇用形態に関わらず、働くことは出来ません。

万が一こっそり働いて、多少なりとも収入を得た場合は、働いてしまった日数分、待期期間が延長されることになりますので気をつけましょう。

(2)勤務時間は1日4時間以上・週20時間未満

7日間の待期期間を経た後は、給付制限期間であっても、給付期間であっても、働くことが出来るようになります。もちろん派遣での就業もOK!ただし、そこには条件があります。その条件とは…

勤務時間を週20時間以内、契約期間を31日未満に抑える

ということ。

例えば、1日4時間×週3日働いた場合は、週12時間
1日3時間×週5日働いた場合は、週15時間

これは、パートやアルバイトであれば勤務先で、派遣であれば派遣会社で、雇用保険の加入条件に満たさない働き方です。もし、労働時間が週20時間以上で31日以上の雇用契約を結んで働いてしまった場合、雇用保険への加入要件を満たすこととなり、「就職した」とみなされてしまいます。
つまり、失業状態ではなくなったと判断され、失業保険の受給資格を失うことになるのです。

失業保険をもらいながら働こうとしていても、その結果、失業保険の受給が終わってしまっては元の子もありません。シフトを組んでもらう時、派遣会社から仕事を紹介してもらうときに、1週間20時間未満にしてもらうようにしましょう。失業保険を受給しながら派遣で働くためには、しっかりルールを遵守してください。

(3)必ずハローワークへ申告する

失業保険を受給し続けるには、原則として4週に1度の「失業認定日」に「失業認定申告書」を提出します。失業認定報告書には、4週間の求職活動の実績を記載し、失業状態であることと求職活動を行っていることを申告します。
失業保険を受給中に仕事をした場合は、その中に、求職活動を行ったことと合わせて、
仕事をしたこと・勤務時間・収入額・きちんと求職活動をしているかなどを記入する必要があります。

ちなみに…内職や手伝いをした場合も、労働としてみなされます。内職や手伝いで得た収入や勤務日もしっかり報告をしないと、不正受給の対象とみなされてしまいます!
失業保険を受給しながら仕事をする場合、勤務時間数・勤務日数などの基準を管轄のハローワークへ事前に確認を取るようにしましょう。

まとめ

失業保険を受給しながら派遣で働いても大丈夫?働くための条件・注意点など解説(前編)

一定の条件を満たしていれば、「失業保険を受給しながら派遣で働いても大丈夫!」と理解していただけたかと思います。失業保険の受給については、在職中は深く考えないことかもしれません。仕事を辞めてしまってからも、生活を続けたり、新しい仕事を探したりするために、お金は必要になってきます。
失業保険はしっかりと受け取れるように、情報はきちんと把握しておかなければなりません。
失業保険を受給しながら安心して働けるように、自分に合った働き方を探してルールを守れるよう検討していきましょう。

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