2020年08月31日

2方式で決まる派遣社員のお給料!選ぶのは誰だ?

2方式で決まる派遣社員のお給料!選ぶのは誰だ?(アイキャッチ)

既にはじまった「同一労働同一賃金」をおさらい

働き方改革の一環で、2020年4月に施行され、各方面で話題となっていた、いわゆる「同一労働同一賃金」。厚生労働省によると、同一労働同一賃金とは、

「同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指す」

ものらしいです。(厚生労働省Webサイト「同一労働同一賃金特集ページ」

雇用形態によって異なる待遇解消への取組み

その中でも大切な「お給料」。お給料といっても、その中身は様々です。基本給の他にも、賞与(ボーナス)や退職金、通勤手当(交通費)や住宅手当など、実際には様々な名称がつけられ、支給されています。そして、実際は、こうした様々な名称がついたお給料が、同じ企業で同じ仕事をしていたとしても、いわゆる正規社員(正規雇用労働者)と非正規社員(非正規雇用労働者)の雇用形態に違いによって支給されたりされなかったり。同一労働同一賃金は、こうした不合理な待遇差を解消していこうという壮大な取り組みなのです。

派遣社員のお給料はどうやって決める!?

とはいえ、「非正規雇用労働者」の中でも、派遣社員は、雇っているのは派遣会社、実際の就業場所は派遣先企業という特殊な事情を抱えています。そんな事情を考慮して、派遣社員のお給料の決定方式には、2つの仕組み(賃金決定方式)が用意されることになりました。

お給料を決める仕組みが2つあるなら、当然自分に有利な仕組みを選択したくなるものです。それに、お給料は、労働の対価としてもらうものですから、受け取る派遣社員に選択権があってもよさそうですよね?

今回は、派遣社員のお給料の2つの仕組み(賃金決定方式)の違いがどういったものか?いったい誰が賃金決定方式を決めるのか?このあたりを明らかにしていきましょう。

派遣社員のお給料を決める2つの方式

2方式で決まる派遣社員のお給料!選ぶのは誰だ?(挿入4)

それでは具体的に、派遣社員のお給料を決める2つの賃金決定方式を見てみましょう。

原則は「派遣先均等・均衡方式」

派遣社員の賃金決定方式の中で、原理原則の方式とされているのが、「派遣先均等・均衡方式」です。この方式は、派遣先の企業で、派遣社員と同じ仕事をしている派遣先社員にあわせてお給料・待遇を決定します。「同一労働同一賃金」で、派遣社員との比較対象をする存在は、派遣先の正規社員(正規雇用労働者)です。

派遣会社は、派遣社員の待遇を決定するために、派遣先で同じ仕事をしている正規社員の待遇情報(お仕事の内容、責任の程度、給料・昇給・賞与の情報、移動についてなど)を派遣先企業から提供してもらいます。

この派遣先均等・均衡方式では、派遣先企業で同じ仕事をする正規社員の給料水準へ合わせるため、派遣社員は派遣先が変わる度に待遇決定を都度行う必要性が生じます。そのため、大手企業など、給料水準が高い派遣先で働いている期間は、高い水準のお給料が見込めますが、給料水準が低い派遣先が変わることにより、お給料が減ってしまうということもあり得ます。

例外の「労使協定方式」

派遣先が変わるたびにお給料が変わってしまうと、生活に様々な支障が出てしまいますよね。その対策として、例外的に認められている方式が、「労使協定方式」です。労使協定方式は、派遣社員の待遇を、派遣会社内で締結する労使協定によって定めます。

派遣会社の労使協定なんて聞くと、お給料がとっても安くなってしまうような気がしませんか?でも安心してください。労使協定で定めるお給料は、最低額決められています。

厚生労働省が職種ごとに定めている「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(一般賃金)」という賃金テーブルがあります。「大阪府の営業事務」や「新潟県のテレフォンオペレーター」などなど、職種と地域から平均額を割り出し、作成されています。また、賞与(ボーナス)や退職金、交通費についても、相当額が盛り込まれています。労使協定で定めるお給料は、そのテーブルで定められた金額と同等以上にしなくてはなりません。

つまり、労使協定方式における比較対象は、「同じ地域の同じ職種に就いている正規社員(正規雇用労働者)」ということになります。これによって、派遣先が変わったとしても、同じ仕事をしている限りにおいては、お給料の変動はなく、同水準の賃金の安定的に確保できるようになりますよね。

派遣社員のお給料、選択するのは誰?

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ここまで見てきて、派遣社員の賃金決定方式には、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2つの方式があることがわかりました。2つあるのですから、うまく使い分けたいですよね…お給料水準の高い派遣先で働くときは「派遣先均等・均衡方式」、お給料の安い派遣先のときは「労使協定方式」といった具合に。お給料は労働の対価なんですから、もしかすると「その選択権は私にあってしかるべきじゃないの?!」と思って当然です。

ところが世の中そううまくはいきません。「派遣先均等・均衡方式」・「労使協定方式」いずれの決定方式にするかを決めるのは、派遣社員じゃないんです…そう、賃金決定方式を決めるのは派遣会社なんです…。そしてその決め方も様々。紹介される全ての仕事が派遣先均等・均衡方式であったり、全ての仕事が労使協定方式といった派遣会社もあれば、事務とITの仕事は労使協定方式、紹介予定派遣は派遣先均等・均衡方式といったように、職種やサービス内容によって異なる方式を採ることもできます。

派遣会社の賃金決定方式、開示・説明はいかに?

では、いったいどうすれば、派遣会社の賃金決定方式がわかるのでしょうか?派遣会社は、賃金決定方式を選択する権利を持っているのと同時に、派遣社員に対して、お給料をどちらの方式にしたか、また待遇にまつわる様々な諸情報について説明する義務も同時に課されていることは重要な点。派遣社員の皆さんは、派遣会社に対して、賃金テーブルを見せてもらえるように求めたり、待遇差の内容や理由について説明を求めることが出来ます。その点は安心ですね。

派遣社員がとるべき対応策は?!

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賃金決定方式は派遣会社が決めている現在、派遣で働こうとする際に、どんな対策を取ればよいのでしょうか?

(1)これから派遣社員になろうとする方

これから派遣会社に登録し、派遣社員として働こうとしているあなた。何よりもまず先に行うことは、派遣登録をする前に、その派遣会社の賃金決定方式について、リサーチをしておくということ。

「派遣」という働き方を選ぶ際、それぞれに様々な希望やビジョンがありますよね。希望の職種・就業先で長期に亘って働きたいという方、限られた時間を有効に活用して仕事の時間に充てたい方、家庭との両立を重視しワークライフバランスを実現したい方など、様々だと思います。

ですので、派遣会社を選ぶ際には、自分のキャリアプランにあわせて、派遣会社がどんな仕事を扱っていて、どの賃金決定方式を採用しているか?こうした点を踏まえて、自分のビジョンにマッチした派遣会社を選んでいくことが重要ですね。

(2)既に派遣社員として働いている方

現在就業中の多くの派遣社員の方は、2020年の春、同一労働同一賃金による待遇の変化を期待されたのではないかと思います。

働き方改革関連法の施行によって、派遣会社は、派遣社員に対する説明責任が生じていますので、この「同一労働同一賃金」で何が変わり、どのように賃金決定方式を採用し、それが今の時給にどう反映しているか?どんな内訳になっているのか?を、きちんと聞いてみることをお勧めします。また、今後の昇給の仕組みや、支援体制なども併せて聞けたら良いですね。

何の確認もしてなかった、何の説明も受けてなかったなんて方は、まずは派遣会社の担当さんに、お電話で確認してみてください。

今すぐ自分のお給料を確認しよう

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ここまで「同一労働同一賃金における派遣社員の賃金決定方式は2方式ある」件について見てきましたが、いかがでしたでしょうか?実は知らなかった!という方も少なくないのではないでしょうか?!

派遣社員のお給料は、「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」という2つの賃金決定方式が採用されていることがわかりました。しかしながら、どちらの方式を採用するかは、残念ながら、派遣社員ではなく、派遣会社が決めるものということでしたね。

実際派遣会社はどっちの賃金決定方式を選んでいるのか?

では実際、派遣会社はどちらの賃金決定方式を採用しているのでしょうか?客観的なデータはありませんが、多くの派遣会社が「労使協定方式」を採用し、派遣社員の皆さんのお給料を算出しているようです。その上で、少数ではありますが、直接雇用のパート・アルバイトを数多く抱えている業界への派遣については、「派遣先均等・均衡方式」を採用している派遣会社も見られます。派遣会社だけでなく、派遣先・職種によっても賃金決定方式が異なるという現実があります。

お給料を含めた待遇のあり方に注目を

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「同一労働同一賃金」の法改正がなされた現在、ご自分のご希望に沿った働き方はもちろん、「待遇のあり方」という視点で、派遣会社選びをしていくことも大事になりそうですね!派遣会社に登録する前にその会社の賃金決定方式を調べることは今後必須となりそうです。

そうでなくとも、派遣登録後、就業が開始する際の契約時、契約内容や待遇面などで、派遣会社側とコミュニケーション・意思疎通をはかることは、さらに大事になりそうです。今働いている派遣会社の賃金決定方式知らないなんて方は、今すぐ担当さんに連絡をとり、質問を投げかけてみたらどうでしょうか?!

 

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