2021年09月28日

派遣法の3年ルールを解説!例外はある?3年後はどうなる?

派遣法の3年ルールを解説!例外はある?3年後はどうなる?

はじめに

この記事では派遣法の3年ルールについて説明します。

派遣法の3年ルールは2015年9月の派遣法改正により制定されたもので、「同じ派遣先の同じ部署に派遣就業できるのは最長3年間」というルールのことです。

3年ルールには個人単位(組織単位)と事業所単位の2つがありますが、今回は派遣社員に関係する個人単位(組織単位)の3年ルールの説明と、期間制限が例外になるケース、3年後の選択肢、よくある質問などを詳しく紹介します。

派遣で働くうえで重要な3年ルールをしっかりおさえておきましょう。

目次

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派遣法の3年ルールとは

派遣法の3年ルールとは

派遣法の3年ルールとは「有期雇用派遣で同じ派遣先の同じ部署に働ける期間は最長3年間」という派遣法で定められた決まりのことです。

3年ルールは派遣先での就業が開始した日からカウントします。
部署(組織単位)に適用されるため、就業期間中に業務内容が変わっても部署の異動がなければ上限3年は変わりません。
また、労働者単位でも見るため、派遣会社を変えたとしても上限3年である点に注意です。

いつ導入されたルール?

派遣法の3年ルールは2015年9月の派遣法改正で導入されました。

3年ルールが導入された背景には、「派遣という働き方は臨時的・一時的なものである」という考え方の元、派遣社員の雇用の安定化やキャリアアップ形成を図るという目的があります。

2015年9月の派遣法改正前はソフトウェア開発や事務用機器操作、翻訳・通訳など、「専門26業務」と呼ばれていた職種群が3年ルールの対象外で、一部の職種のみに3年ルールがありましたが、法改正により全ての業務で派遣期間の上限が3年となりました。

派遣法の3年ルールの例外条件

次の条件を満たす場合は派遣法の3年ルールの対象外となり、3年の期間制限を受けずに働くことができます。

派遣法の3年ルールの例外条件
・派遣会社に無期雇用されている場合
・60歳以上の場合
・有期のプロジェクトで終了日が決まっている場合
・日数限定業務の場合
・産前産後・育児・介護などで休業している社員の代わりに派遣就業する場合

派遣会社で無期雇用されている場合

派遣会社で無期雇用されている場合は派遣法の3年ルールの対象外です。

有期雇用から無期雇用に転換した場合、もともと無期雇用の場合があります。

60歳以上の場合

60歳以上の派遣労働者は派遣法の3年ルールの対象外です。

有期のプロジェクトで終了日が決まっている場合

期限が決まっている有期のプロジェクトの場合、派遣法の3年ルールの対象外です。

日数限定業務の場合

日数限定業務に該当する場合、派遣法の3年ルールの対象外です。

日数限定業務
1か月の労働日数が通常の労働者の半分で、かつ、10日以下の業務

産前産後・育児・介護などで休業している社員の代わりに働く場合

産前産後休業、育児休業、介護休業などで休業している社員の代わりに派遣就業する場合は派遣法の3年ルールの対象外です。

参考:期間制限の例外(厚生労働省)

派遣法の3年ルール経過後の選択肢

派遣法の3年ルール経過後の選択肢

有期雇用派遣労働者が同じ派遣先の同じ部署で働く場合、3年ルール経過後の選択肢として次のものがあります。

・派遣先企業に直接雇用される
・同じ派遣先の別の部署に異動して働く
・別の派遣先で働く
・派遣会社の無期雇用社員になる

派遣先企業に直接雇用される

派遣先企業から3年を経過後も働いてほしいと要望があり、派遣労働者本人が3年以降も引き続き就業を希望することで、派遣社員と派遣先企業は直接雇用契約を結びます

有期雇用の派遣労働者が同じ派遣先の同じ部署で3年以上の就業が見込まれた時点で、派遣会社から派遣先企業に派遣労働者の直接雇用の依頼をします。

同じ派遣先の別の部署に異動して働く

派遣法の3年ルールは同じ派遣先の同じ部署に適用されます。

そのため、同じ派遣先でも部署を変えれば新たに3年間を上限として派遣就業できます(部署の異動により派遣制限期間3年間のカウントがリセットされます)。

たとえば、同じ派遣先A社の営業部で3年間働き、その後、A社の総務部に異動することで新たに3年間の派遣勤務ができます。

※この場合、労働契約法で定める5年ルールの対象となります。5年ルールについてもあわせてご確認ください。

別の派遣先で働く

派遣法の3年ルールは同じ派遣先の同じ部署に適用されます。

そのため、派遣先を変えることで新たに3年間を上限として派遣就業が可能です。

たとえば、派遣先A社で3年間派遣就業し、その後、別の派遣先B社に移り3年間を上限に派遣就業する、ということができます。

※この場合、労働契約法で定める5年ルールの対象となります。5年ルールについてもあわせてご確認ください。

派遣会社に無期雇用される

派遣会社で有期雇用から無期雇用に雇用契約を変更することで派遣法の3年ルールが対象外になります。

無期転換制度があるか、無期転換するための条件など、派遣会社ごとにさまざまです。
詳しくは派遣会社の担当者に確認しましょう。

参考:5年ルールについて

5年ルールとは、有期雇用社員が5年以上同じ雇用元で働く場合に、雇用元に無期雇用社員として働きたい旨申し出ることで無期雇用社員に転換してもらえるという労働契約法で定められたルールのことです。

有期雇用派遣で働く場合、部署や派遣先を変えることで3年以降も有期雇用のまま派遣就業できますが、同じ派遣会社で通算5年間働くと「5年ルール」の対象となります。

派遣会社によっては5年を上限に雇い止めとなるケースがあるので、長期で働きたい場合は派遣会社の制度をよく確認しておきましょう。

参考:雇用安定措置について

派遣会社には派遣社員の雇用の安定とキャリア形成を支援する義務があり、有期雇用の派遣労働者が同じ派遣先の同じ部署で3年以上の就業が見込まれた時点で、派遣会社から派遣社員に対して雇用安定措置が講じられます。

雇用安定措置
①派遣先への直接雇用の依頼
②新たな派遣先の提供(合理的なものに限る)
③派遣元での無期雇用
④その他雇用の安定を図るための措置(雇用を維持した状態での教育訓練、紹介予定派遣など)

※雇用安定措置①の措置を講じた上で直接雇用に至らなかった場合は②~④の措置を講じる

参考:派遣で働く皆さまへ(厚生労働省)

派遣法の3年ルールについてよくある質問

派遣法の3年ルールに関してよくある質問をまとめています。

Q.自分の抵触日はどう調べたらいいですか?

A.派遣の期間制限を過ぎた最初の日を抵触日(ていしょくび)と呼びます。自分の抵触日(個人単位/組織単位の抵触日)は派遣会社から発行される雇用契約書に書かれています。不明な点があれば派遣会社に確認しましょう。※組織単位の抵触日も雇用契約書に書かれています。

Q.抵触日はどのように数えますか?

A.抵触日は派遣の期間制限を超えた初めの日のことです。3年間の派遣期間制限を超えた「3年と1日後」が抵触日に当たります。たとえば、2020年4月1日から派遣就業している派遣先における個人単位(組織単位)の抵触日は2023年4月1日です。※組織単位の抵触日は別に定められていますので確認が必要です。

Q.違う派遣元から同じ派遣先で働く場合の期間の数え方はどうなりますか?

A.派遣法の3年ルールは同一の派遣労働者に対して適用されます。そのため、派遣会社を変えても、同じ派遣先の同じ部署に働く場合は通算して計算されます。

Q.クーリング期間とは何ですか?

A.派遣法の3年ルールでは、期間中に3か月と1日以上の空白期間があれば派遣の期間制限のカウントがリセットされます。このときの空白期間をクーリング期間といいます。クーリング期間は個人単位(組織単位)の期間制限、事業所単位の期間制限の両方に適用されます。

参考:いわゆる「クーリング期間」について(厚生労働省資料)

まとめ

派遣法の3年ルールについて理解できましたか?

派遣法の3年ルールは派遣社員の雇用の安定とキャリア形成を目的とした派遣法の決まりのことで、同じ派遣先の同じ部署には最長3年間しか派遣就業できないというルールです。
派遣の期間制限には例外になるケースがあること、3年ルール経過後の選択肢、よくある質問を紹介しました。

有期雇用派遣で働く3年後のキャリアは派遣会社や派遣先の方針によって変わります。
派遣先での直接雇用を目指している方や、派遣元での無期雇用社員を目指している方など、気になるところだと思います。

詳しくは派遣会社の担当者に聞いてみると良いです。

派遣が初めてという方はこちらの記事もお役立てください。
»初めての派遣ガイド

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