2022年01月06日

失業保険を受給しながら派遣で働いても大丈夫?働くための条件・注意点など解説(後編)

受給額減額や不正受給になるという噂!?

前編では、一定の条件を満たしていれば失業保険を受給しながら、派遣で働いても大丈夫だと理解いただけたと思います。
ただ、求職活動をしながら短期の派遣で勤務スタートしたものの、不穏な噂が…。

「失業保険を受給しながら働くと、支給額が減っちゃうの?」
「知らないうちに、失業保険不正受給していた…」

いざという時に、知っているのと知らないのでは雲泥の差!気を付けないと、失業保険の受給額が減額されてしまうだけでなく、不正受給とみなされることも…!?
後編は、「知らなかった」じゃ済まされない「失業保険の減額」や、「失業保険の不正受給」について、紐解いていきます。

前編:こちらです。

※本記事で扱う「失業保険=雇用保険で受けられる給付の中の基本手当」を指しています。

目次

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失業保険の金額やもらえる時期が変わっちゃう?

前編で説明した通り、一定の条件を満たしていれば失業保険を受給しながら働くことは出来ます。
ですが、雇用形態に関わらず、労働時間や給与額によって失業保険の受給減給や失業保険の受給が先送りになってしまうこともあるのです。短期・内職・お手伝いなどに関わらず、失業保険の日額近くまで稼いでしまった場合は、注意が必要です。
それでは早速、注意すべき点を見ていきましょう。

(1)失業保険の受給減額対象になるケース

失業保険を受給しながら働く場合、失業保険の「受給額」と「収入の合計」が、「前職の賃金日額の80%」を超えた場合、減額となります。その仕組みは以下を確認。

失業保険の減額の仕組みとは?

[失業保険の受給日額]+[ 1日分の収入(給与)] > [前職の賃金日額]×80%

つまり、「失業保険の受給日額」と「1日分の収入」が、「前職の賃金日額」の80%となるように、失業保険の支給額が減額されます。尚、この場合、「1日分の収入」は、収入総額から1,306円を控除し算出された金額で計算されます。

これらを踏まえて、どれくらい失業保険が減給されるか計算してみましょう!

失業保険を受給しながら派遣で働いても大丈夫?働くための条件・注意点など解説(後編)

元の失業保険の受給日額5,000円が、減給されて受給日額3,806円になってしまいました。
失業保険を受給しながら働く場合には、1日にどのくらいの賃金日額に収めれば良いか、事前にハローワークで確認しておくと安心です。

(2)失業保険の受給が先送りになるケース

失業保険を受け取りながら働くには、1日の労働時間にも注意が必要です。
もし、1日「4時間以上」働いてしまうと、その日の分は、失業保険が受け取れなくなります。ただし、この場合は、1日分もらえなくなるのではなく、失業保険の受給が1日先送りになります。先送りになった分は、全額受け取れますので、安心してください。

ただし、失業保険の受給期間は、原則として離職した日の翌日から1年間。短期・単発の派遣を繰り返すなどして1年以上受給が先送りになると、1年を超えて先送りした分の失業保険は受け取れなくなってしまうので注意してください。

失業保険の不正受給のペナルティーとは!?

失業保険を受給しながら派遣で働いても大丈夫?働くための条件・注意点など解説(後編)

失業保険を受給しながら一定以上の収入を超える場合、失業保険の減額対象になることは理解いただけたと思います。そこで、何気なく頭によぎることが…。

「失業保険を受給しながら派遣で働いて収入があるけど、失業保険を減額されてしまうのは嫌」
「申告しなければ、減額対象にならないよね?」
「失業保険を受給しながら、派遣で働いたことを申告しなければ良くない?」 etc…

もしかして、働いたことがバレなければ、失業保険を全額もらうことも可能なのでは?
そんな悪知恵は、働かせないのが一番。ここからは失業保険の不正受給により受けるペナルティーについてみていきましょう。

失業保険の不正受給とみなされるケース

失業保険を受給しながら働いた場合、月1回の定められた「失業認定日」に、ハローワークに申告しなければなりません。ですが、もしハローワークへ正しく報告しないと…
これが失業保険の「不正受給」となるのです。

(1)派遣やアルバイト、内職や手伝いなどを申告しない
(2)嘘の求職活動実績を申告する
(3)実際とは異なる就職日を申告する
(4)自営業を始めているのに、申告しない(準備含む)

不正受給のペナルティー、その内容とは?

実際に、失業保険を受給しながら派遣で働いて収入をゲット…でも月1回の失業認定日でその事実を隠蔽…もし申告しなかったことがハローワークにバレてしまったら…。
「軽い気持ちでだったのに…」では済まされない厳しいペナルティーが待っています。
一体どんな罰則や処罰があるのでしょうか?

停止命令

失業保険の不正受給とみなされると、それ以降の支給が全て停止されます。せっかくもらえるはずだった失業保険も、不正があった日を含めて、その日以降は一切の支給が受けられません。

3倍返し

「失業保険の不正受給は、バレたら3倍返し」というフレーズがあります。もし不正受給がバレてしまうと、ハローワークから「返還命令」が出されます。当然、不正に受け取った失業保険の金額は返還しなければなりません。更に「納付命令」が発出。不正に受け取った額の「2倍」に当たる金額の納付が命令されます。
「返還命令」分の不正受給額と、「納付命令」分の不正受給額の2倍を合わせると、不正受給分として受け取った額の3倍の額を支払うことに…。

これが「3倍返し」といわれる所以です。

さらに、支払い命令に従わないと、新たに「延滞金」も発生!不払いが続くと、財産の差し押さえが行われることも…そして、悪質であると判断されれば、「詐欺罪」で刑罰の対象になります。

失業保険の不正受給は必ずバレる!?

では、どうして失業保険の不正受給はバレてしまうのでしょうか? 今度はそのメカニズムを解明していきましょう。

(1)雇用保険への加入してしまう

派遣やアルバイトでも、「31日以上」雇用が継続され1週間の所定労働時間が「20時間以上」となる場合、雇用保険の被保険者となります。
つまり、雇用保険への加入手続きが必要となります。
この雇用保険、管理しているのはどこでしょうか?失業認定日に求職活動などを報告しているハローワークです。そのため不正受給をしていたら、すぐにバレるのです。

(2)マイナンバー制度

平成28年1月から始まった「マイナンバー制度」。平成30年5月からは、雇用保険関係の手続きにもマイナンバーの届出が必要となりました。また、失業保険申請に必要な離職票には、マイナンバーを記載することが義務付けられたのです。

これによって、ハローワークは税務署や社会保険事務所などの行政機関と、オンラインで情報共有することが可能になりました。前年の収入・課税状況、社会保険などの加入状況など把握できるようになったのです。
マイナンバー制度が導入されたことで、過去の縦割りが解消し、失業保険の不正受給が摘発されやすくなりました。

(3)密告

「あの人、失業保険もらっているのに働いてます」と、第三者からの通報による密告で失業保険の不正受給がバレてしまうこともあります。つい自分から他人に喋ってしまうことで、自ら墓穴を掘るケースです。思わぬところに落とし穴はあります。その他、ハローワーク職員の家庭訪問などの調査でバレるケースも多いです。

雇用保険、マイナンバー、密告…失業保険の不正受給がバレてしまう原因は様々…もはや「失業保険の不正受給がバレない方法はない!」と考えた方が良いですね。

もし知らずに不正受給していたら…?

知っていたとしても、知らなかったとしても、失業保険の受給中に一定の条件をオーバーして働いてしまった場合は、失業保険の不正受給とみなされてしまいます。誤魔化すことも出来ない上、ペナルティーを受けることを覚悟しなくてはなりません。
残念ながら、ペナルティーの軽減や情状酌量もないようです。

では、もし知らずに失業保険を不正受給していたら…?失業保険を不正受給していたと気づいたら、すぐにハローワークで手続きをしましょう。悪気はなかった…と言っても、失業保険の不正受給に変わりありません。ハローワークに相談することが、一番の対処法です。ハローワークの方も、きちんと対応してくれますので心配しすぎる必要はありません。

失業保険をうまく活用

失業保険を受給しながら派遣で働いても大丈夫?働くための条件・注意点など解説(後編)

失業保険を受給しながら派遣で働くことについて、前編と後編で分けて解説してきました。正直、失業保険の収入だけだと、生活が厳しい方もいらっしゃると思います。
ただ、失業保険は、次の仕事が見つかるまでの支援であって、その支給額には限界も…。反面、社会保険制度を正しく理解し、ルールを守っていれば失業保険を受給しながら働いても何ら問題ありません。

失業保険を受給しながら働いたけど、「申告方法が分からない」、「ルール違反になるか分からない」など、少しでも疑問や気になる点があれば、最寄りのハローワークへ向かいましょう。正直に相談することで正しい申告が出来ますし、最悪の事態に陥ってしまうこともなくなるはずです。

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