2014年09月01日

解説!はたらくあなたの有給休暇~「使う」編

解説!はたらくあなたの有給休暇!~「使う」編~

「年次有給休暇」を使おう!

やっと手に入れた「有給休暇」!この労働者の素敵な権利、行使するにはどうしたらいいか?今回は、実際どうすれば「有給休暇」使えるか、そのあたりを徹底解明します!

どうやったら使えるの?

まずは、この日に「有給休暇」を取得するぞ!という日(時季)を決めましょう!決めた後は、それを会社に届け出ます。ここポイントなんですが、「事前」に申請(届出)することが必要です。

「承認」なしでの取得可能??

解説!はたらくあなたの有給休暇!~「使う」編~(廻込3)「申請して承認もらえないと取得できないんじゃ??」という声が聞こえてきそうですね。確かに、労働者が「有給休暇」を取得する場合には、会社に伺いを立てて、「承認」を得るのは当たり前と思いがちです。ところがちょっと違うんです。そもそも労働者が「有給休暇」を取得するためには、会社の「承認」や「許可」は必要ないのです。会社は既に労働者に「有給休暇」を使う権利を与えています。その為、もともと会社には、「拒否」することは出来ませんし、「承認」を与える必要もないんです。労働者は、「有給休暇」を取得する場合、「請求」しなければならないわけでなく、単にいつからいつまで取得するかを「指定」するだけでOK!請求もないわけですから、「認める」とか「認めない」とかの問題自体が発生しないのです。

どんな「理由」なら使ってもよいか?

では、どんな理由なら「有給休暇」を使えるのでしょうか?実はこれ、まったくもって労働者の自由です。取得理由は、「有給休暇」を定めてる労働基準法の関知するところではないのです。労働者は「有給休暇」を取得することを事前に伝える(届け出る)必要はあっても、その理由までを伝える義務はないのです!「有給休暇」は例え取得理由があろうとなかろうと、理由にかかわらず取得できるものです。そして使用者(会社)は労働者に対しその取得理由によって、「有給休暇」の取得を制限することはできません。ちなみに、労働者が申し入れた理由が虚偽であったとしても、そのことを理由に取得した「有給休暇」を使用者(会社)が取消すことも出来ないそうです。

「いつ」なら使える?

次に気になるのが「有給休暇」の取得時期。いったいいつなら取得していいのか?という点ですね。実はこれも労働者の自由!使用者(会社)は、「有給休暇」を労働者の請求する時季に与えなければならないのが大原則です。使用者(会社)は、労働者の請求する時季に「有給休暇」を与えることで、事業の正常な運営を妨げる場合に限って、例外的に他の時季に「有給休暇」の取得時季を変更することが許されています。この権限を「時季変更権」といいます。

「いくら」もらえる?

解説!はたらくあなたの有給休暇!~「使う」編~(廻込2)
「もらう」編でも解説したとおり、「有給休暇」は、お休みしてるのに「お給料」がもらえる素敵な休暇です。ではいったい、「有給休暇」を取得した日はいくらもらえるのでしょうか?

法律での定めは以下のとおり。
休暇日における賃金は、就業規則等で定めるところにより、取得日における契約内容によって、次のいずれかに基づいて支払わねばならない(第39条第7項)。
■平均賃金
■その日の所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
■健康保険法に定める標準報酬日額(労使協定を締結しておく必要有)

ここでもわかる通り、1日分のお給料が満額もらえます。休暇だからといって、その額が減額することもないのです。つまるところ、「有給休暇」を取得しても、お給料が減ってしまうということはないのです。

余った「有給休暇」、どうする?

労働者の素敵な権利「有給休暇」ですが、実際のところ、「有給休暇」を全て取得することが出来ないまま「退職」の日を迎えてしまうこともあるんじゃないでしょうか?「有給休暇」は労働者と使用者(会社)の間に労働関係があることを前提としている制度。その為、会社に在籍しているときには使えるが、退職後には使えない点、しっかり頭に入れておきましょう!「もらう」編でも触れたように、残った「有給休暇」を、使用者(会社)が、買い取らなきゃいけないという法的な定めがない点も忘れてはいけませんね!

もらった「有給休暇」、いつまで使える?

解説!はたらくあなたの有給休暇!~「使う」編~(廻込1)「有給休暇」には、時効があります。その請求権は「有給休暇」が取得可能となった時点を起算日として2年!例えば、10月1日に、10日の「有給休暇」をもらいます。5日使って5日残って、翌年の10月1日を迎えたとしましょう。この日には、新たに11日の「有給休暇」をもらいます、前年にもらった「有給休暇」の残り5日は更に1年使う権利が残ります。つまり、最初にもらった10日の「有給休暇」、もらった日から2年間は取得可能です。この2年を過ぎると消滅時効を迎え、残った「有給休暇」は無効になってしまうのでこちらも注意が必要です。

時季変更権ってなに?

使用者(会社)が、労働者が請求する「有給休暇」の取得時季を唯一変更することの出来る権利、「時季変更権」。この権利を行使できるのは、労働者の請求する時季に有給休暇を与えることで、「事業の正常な運営」を妨げられる場合に限られます。唯一、例外的に他の時季に「有給休暇」を与える(変更する)ことができる権利です。ただ、これも実はなかなかハードルが高いのが実際。「時季変更権」の行使要件は、「事業の正常な運営を妨げる場合」に限られているのです。ただ単に、仕事が忙しいから、という理由では行使はできない点を理解しましょう。そして、雇用主と実際の就業先が異なる「派遣労働者」の場合は、「事業の正常な運営」判断は、実際に働いている「派遣先」ではなく、雇い主である「派遣元」の事業についてなされる点、特徴的なので覚えておきましょう!

日本の「有給休暇」利用の現状!

最後に、日本の「有給休暇」事情を少々。世界各国の「有給休暇」の取得率と比較して、日本の「有給休暇」の取得率は並外れて低いことが問題視されてるそうです。これに象徴されるように、日本は総じて長時間労働であり、働きすぎる傾向が…。このことが原因で、健康を害したり、精神疾患(うつ病など)や過労死、過労自殺に至る労働者が後を絶たない原因とも考えられています。ワークライフバランスが声高に叫ばれている今、労働者の素敵な権利「有給休暇」を上手に活用して、快適なワークライフを実現してくださいね。

~「解説!はたらくあなたの「有給休暇」~「もらう」編」はこちら~

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