2023年12月26日

派遣社員も通勤交通費がもらえる!?知っておきたいポイント

はじめに

「派遣社員でも通勤交通費ってもらえる?」
「派遣社員だと通勤交通費もらえないんでしょ?」

派遣社員は働き方の仕組み上、定期的に職場が変わるため通勤交通費が支給されるかどうかは非常に気になるポイントです。

結論から言うと2020年4月(中小企業は2021年4月)に労働者派遣法の改正(同一労働同一賃金)によって、派遣社員でも通勤交通費が支給されるようになりました。

今回は派遣社員の通勤交通費の疑問について詳しく解説します!

目次


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通勤交通費と交通費の違い

派遣社員も通勤交通費がもらえる!?知っておきたいポイント

通勤交通費とは、従業員がオフィスまで通勤する際にかかる交通費のこと。鉄道・バスの他、車で通勤する従業員のガソリン代なども通勤交通費にあたります。
通勤交通費の支払いに関して、企業は法的な義務を負っていないため仮に支給しなくても問題ありません。全額支給・一部支給・上限支給など、企業ごとに異なります。福利厚生のひとつと考えると分かりやすいです。

これに対して、交通費は営業で外回りする、県外へ出張に行く、研修に行くなど、業務を行う上で必要な移動にかかる費用のことです。

派遣社員は通勤交通費がもらえる!

2020年4月(中小企業は2021年4月)に労働者派遣法の改正(同一労働同一賃金)によって条件を満たす派遣社員に対して、通勤交通費を支給することが義務付けられました。
同一労働同一賃金により、派遣社員の各種賃金の支給方法は、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式のふたつの方式になりました。
派遣会社は2つの方式のどちらかを選択するように定められています。

同一労働同一賃金 | 働き方改革特設サイト (厚生労働省)

派遣社員の通勤交通費の支給額と計算方法

派遣社員も通勤交通費がもらえる!?知っておきたいポイント

「派遣社員の通勤交通費はいくら?」
「どんな計算方式で決定されているの?」

派遣会社によって通勤交通費の支給方法や規定も様々。実際に通勤交通費の支給はどのように計算されているか、気になるところです。

派遣社員の待遇は派遣先均等・均衡方式か労使協定方式のいずれかが採用されています。

派先均等・均衡方式:派遣先で同じ業務をしている社員と同様の金額が支給される方式
労使協定方式:派遣元が定める支給方法で支給される方式

参考記事 派遣先均等・均衡方式とは?労使協定方式の違いやメリットを解説

労使協定方式は、派遣元が定める労使協定により賃金や通勤交通費が支給される仕組み。この労使協定で定める賃金は、厚生労働省の各種統計データをもとに、派遣先のエリアで同じ業務に従事する同等程度の能力と経験を有する労働者(一般労働者)の水準以上とするよう決められています。通勤交通費も賃金と同様に一般労働者の通勤手当額以上の通勤交通費を支払うように決められています。

一般の労働者の通勤交通費を労働時間1時間当たりに換算した金額を一般通勤手当額といいます。令和5年度の一般通勤手当額は71円です。

労使協定方式において派遣元が定める代表的な通勤交通費の支給方法を解説します。

(1)実費支給の場合

実費支給は実際に通勤する上でかかった交通費が全て支給されます。
ただし、上限が設けられている場合もあります。通勤交通費の支給額に上限が決められている場合、上限額は一般通勤手当額(71円)を下回らない金額が支払われます。

通勤交通費の最低支給額は以下の計算式で確認できます。

【計算式】
一般通勤手当額×1日の所定労働時間×1週間当たりの所定労働日数×52週÷12か月
(例)1日7時間の週5日勤務
71円(※)×7時間×5日×52週÷12か月=10,768円
※令和5年の一般通勤手当額。毎年金額が変動します。

通勤交通費に上限が決められている場合は、最低金額の10,768円を支給される権利があって、10,768円以上の実際にかかった通勤交通費が上限額を限度に毎月支給されます。

(2)定額支給の場合

通勤交通費を定額で支給される場合、派遣会社が定める一定額の通勤交通費が支払われます。この際も、一般通勤手当額を基準として求める算出される金額が最低金額です。

(例)1日7時間の週5日勤務
71円(※)×7時間×5日×52週÷12か月=10,768円
※令和5年の一般通勤手当額。毎年金額が変動します。

定額支給の場合の最低支給額は10,768円以上となります。

派遣社員の通勤交通費はどこから支払われる?

派遣社員の通勤交通費は派遣先ではなく、雇用主である派遣会社から支払われます。
なお、派遣社員が業務で外出・出張した際の交通費について「派遣先が支払う」と派遣元・派遣先で双方合意の上で定めていれば、派遣先が支払っても構いません。

参考記事
東京労働局(労働者派遣事業関係・よく聞かれるご質問集)

通勤交通費支給での注意点

派遣社員も通勤交通費がもらえる!?知っておきたいポイント

通勤交通費が支給されることで、住民税や所得税の納税額・社会保険料が変わる可能性があります。

(1)通勤交通費をもらうと納税額が変わる?

通勤交通費が時給や日給に含まれておらず実費支給の場合は、一定の金額以下で非課税です。
例えば電車・バスなどの交通機関や有料道路を利用して通勤している場合、1ヶ月あたり15万円以下であれば非課税です。自転車やマイカーで通勤している場合は通勤距離で非課税限度額が決まっており、片道2キロ未満は全額課税対象となります。
*すべて課税されるのは前提で、2km以上には非課税限度額が設定されていますが2kmは全額課税となります。

また、通勤交通費が時給に含まれる場合は、通勤交通費も給与所得として課税対象です。
通勤交通費が時給や日給に含まれるとおのずと給与はアップするので、年収103万円以下で勤務している方は注意が必要です。

(2)通勤交通費をもらうと社会保険料が増える?

社会保険の扶養控除は配偶者の年収が130万円未満まで受けられますが、年収130万円の中には通勤交通費などの非課税収入も含まれるので、こちらも注意が必要です。
例えば月1万円の通勤交通費が支給される場合、年間で12万円収入アップと見なされます。実際に支給された給与に通勤交通費分12万円を加えた額が年収130万円以上になると社会保険上の扶養控除からはずれてしまいます。扶養内で納めたい方は注意が必要です。
社会保険料は都道府県ごとに異なるので、詳細は下記を参照ください。

参照
全国健康保険協会 協会けんぽ

社会保険については下記を参照ください。
参照
社会保険の基礎知識!加入条件、種類、雇用保険との違いなど詳しく解説
派遣社員の社会保険の加入条件!2022年10月からの変更点も解説

さいごに

派遣社員も通勤交通費が支給されるようになりましたが、それによって影響があることも理解いただけたのではないでしょうか?
派遣元によって通勤交通費の上限額や規定も異なります。
また、扶養枠内で働きたい方にとっては通勤交通費が支払われるか給与に含まれるかで税や社会保険の扶養枠に影響が出てくることもあるので注意が必要です。
通勤交通費のルールは支給額の決定から各種税金、社会保険料まで多岐にわたって関わるので全てを把握することは難しいです。気になる点や分からない場合は疑問のままにせず、専門機関や派遣元へきちんと確認しておきましょう。

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