2021年11月30日

派遣と業務委託の違いとは?どっちで働くのが良い?

派遣と業務委託の違いとは?どっちで働くのが良い?

はじめに

今回は派遣と業務委託の違いについて紹介します。

派遣と業務委託は「雇用主」「仕事の指揮命令」「成果物の納品が求められるかどうか」などの違いがあります。

IT業界をはじめ業務委託として客先に常駐して働く場合もあり「派遣と何が違うのかよく分からない」という方もいるのではないでしょうか。

この記事では派遣と業務委託の違いについて詳しく解説します。
それぞれのメリット・デメリットや選び方についても説明しますので、ぜひお役立てください。

(補足)企業に雇用されてその企業の業務委託プロジェクト先に就業するケースもありますが、この場合は直接雇用(正社員・契約社員・アルバイト・パートなど)になります。今回は派遣と、企業から直接仕事を受けて働く業務委託の違いについて説明します。

目次

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派遣と業務委託の違いとは?

派遣と業務委託の違いですが、それぞれ次のように目的が異なります。

派遣と業務委託の目的の違い
派遣:労働力を提供する
業務委託:依頼された業務を納品する・遂行する

派遣の目的は企業の依頼業務に対して労働力を提供することです。
派遣社員は派遣会社(派遣元)に雇用されて派遣先企業の指示を受けて働きます。

一方、業務委託の目的は企業から依頼された業務を完成させ納品すること・業務を遂行することです。
業務委託は企業とは雇用契約を結ばず、企業と対等の立場で仕事の依頼を受けて依頼業務を納品・遂行します。

派遣と業務委託について順番に説明します。

派遣とは

派遣とは?

派遣とは派遣会社に雇用されて派遣先企業で働く雇用形態です。

派遣は派遣会社が雇用主となり、派遣先企業が勤務先です。
仕事の指示は派遣先企業から受けて働き、給料の支払いや社会保険の適用は派遣会社から受けます。

派遣には登録型派遣(有期雇用派遣)、常用型派遣(無期雇用派遣)、紹介予定派遣の3種類があります。

登録型派遣(有期雇用派遣)

登録型派遣(有期雇用派遣)は派遣会社と有期の雇用契約を結んで派遣就業する雇用形態です。

3か月、6か月など予め雇用期間を定めて働き、長期で働きたい場合は契約を更新して働きます。
この時、同じ派遣先に勤務できる期間の上限は3年と定められています。

(関連記事:派遣法の3年ルールを解説

給料形態は時給制が多いです。

常用型派遣(無期雇用派遣)

常用型派遣(無期雇用派遣)は派遣会社と無期の雇用契約を結んで派遣就業する雇用形態です。

正社員と同じように雇用期間に制限がないため、雇用主である派遣会社の定年まで働くことができます。

常用型派遣(無期雇用派遣)は派遣先への就業が決まっていない期間も給料が支給されたり、会社によっては月給制、ボーナスが支給されるなどのメリットがあります。

一方、デメリットとして常用型派遣(無期雇用派遣)は雇用の安定が優先されるため、必ずしも希望の派遣先で働ける訳ではないことです。

関連記事:「正社員」と「無期雇用派遣」選ぶならどっち?

紹介予定派遣

紹介予定派遣は、派遣先企業の直接雇用社員になることを前提に期間を決めて派遣就業する雇用形態です。

派遣期間は最長6か月で、その間に派遣先企業、派遣会社、本人の合意が取れれば派遣先の直接雇用社員になることができます。

※企業とのマッチ度が見られるため、必ずしも直接雇用される訳ではないこと、また、直接雇用社員は正社員に限らず契約社員などの場合があります

関連記事:正社員を目指すあなたへの「紹介予定派遣」の真実

その他、派遣について詳しくはこちらの記事にまとめています。

派遣とは何かをわかりやすく解説

派遣で働くメリット・デメリット

派遣で働くメリットとデメリットを知っておきましょう。

派遣で働くメリット

派遣で働くメリットはライフスタイルに合わせて自分の希望条件で働けることや、派遣会社のサポートを受けられることです。

派遣は職種や業務内容を限定して働く、勤務地や曜日・時間を決めて働くなど、希望条件を細かく選んで働くことができます。

また、派遣先の仕事内容や職場環境、その他悩みや気になる点があれば派遣会社に相談することで、派遣会社から派遣先に対して改善に向けて働きかけてくれます。

派遣で働くデメリット

派遣で働くデメリットは長期雇用になりにくいこと、時給制のため月によって収入額が変わることなどがあります。

派遣(登録型派遣)は有期雇用のため、契約の更新が必要だったり、同じ派遣先で上限3年しか働けないなど、長期雇用になりにくい雇用形態です。
長期で働きたい場合は無期雇用派遣や紹介予定派遣の仕事に応募してみましょう。

また、派遣(登録型派遣)は時給制であることが多く、働く日数によって毎月の収入額が変わる点がデメリットになります。

派遣で働くメリット・デメリットについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

派遣で働くメリットまとめ

業務委託とは

業務委託とは?

業務委託とは会社が業務を外部企業・個人に委託する契約形態です。
アウトソーシング、BPO(Business Process Outsourcing)とも呼ばれます。

業務委託は「仕事を依頼する側」と「仕事を受ける側」が対等な立場にあります。

仕事を受ける側は依頼された業務を完成させること・遂行することが必要です。
業務委託契約では会社と雇用契約を結ばず、指揮命令を受けることもありません。
勤務時間や場所、やり方などは自分で決めて働くことが多いです。
成果物の納品・業務の遂行に対して報酬が支払われます。

業務委託契約は詳しくは「請負契約」と「委任契約/準委任契約」の総称です。

請負契約

請負契約は「依頼された業務を完成させる」ことで報酬を受け取る契約形態です。

依頼された業務を遂行して、完成させ、納品することで報酬が支払われます。
成果物を納品しなければ原則、報酬は支払われません。

請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
(引用:民法第632条

請負契約の例として次のものがあります。

請負契約の例
・デザインの作成・納品
・システムの開発・納品
・原稿の執筆・納品
・動画の編集・納品
・コンサルティング・成果物の納品
・営業の代行・成果物の納品 など

委任契約/準委任契約

委任契約/準委任契約は「依頼された業務を遂行する」ことで報酬を受け取る契約です。

依頼された業務を問題なく行うことで報酬を受け取ることができます。
請負契約と異なり成果物の納品は求められない契約です。

委任と準委任の違いは「法律行為を伴うかどうか」です。

委任契約

委任契約は法律行為を委託する契約です。

委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
(引用:民法第643条

委任契約の例
・弁護士業務
・税理士業務 など

準委任契約

準委任契約は法律行為を含まない事務を委託する契約です。

この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。
(引用:民法第656条

準委任契約の例
・コールセンターの運営
・ソフトウェア開発の手伝い
・コンサルティング業務の遂行
・研修講師/インストラクター業務
・営業業務の代行 など
(いずれも成果物の納品は求められない業務の遂行)

業務委託で働くメリット・デメリット

業務委託で働くメリット・デメリットを確認しておきましょう。

業務委託で働くメリット

業務委託のメリットは自分のペースで仕事ができることです。

業務委託は仕事を自分で選んで、曜日、時間、場所、やり方にとらわれずに働くことができます。

成果物の納品(業務の遂行)に対して報酬が支払われる仕事の仕方であり、難易度の高い仕事や実力次第で高時給になります。

業務委託で働くデメリット

業務委託のデメリットは営業活動から契約書の作成、業務の実行、税金、保険などの手続きを全て自分でやる必要があることです。

営業力、業務遂行力、品質管理力、お金の管理力、スケジュール管理力など、高い自己管理力が必要です。

また、業務委託は会社に雇われた会社員ではないため、労働基準法が適用されません。
自分のことは自分で守ることになります。

派遣と業務委託の違いまとめ

派遣と業務委託の違いをまとめると次のようになります。

派遣 業務委託
業務の目的 業務の遂行 業務の完成(請負)
業務の遂行(委任・準委任)
雇用主 派遣会社(派遣元) なし
指揮命令権 派遣先企業(派遣先) なし
勤務条件(曜日/時間/場所など) 雇用契約で定めた勤務条件で働く 自分で決めて働く
報酬の支払い対象 提供する労働力(役務) 業務の完成(請負)
業務の遂行(委任・準委任)
給料支払い 雇用主の派遣会社が計算し、給与として支給 自分で請求、委託元より直接支払い
社会保険の適用・加入 加入要件を満たすことで適用 社会保険はなし、自身で国民健康保険・国民年金へ加入
税金手続など 派遣会社が源泉徴収や年末調整を実施 自分で確定申告を実施
労働法 労働者のため、労働基準法などの労働法の適用対象 事業者のため、労働基準法などの労働法は非適用

派遣と業務委託、どっちで働くのが良い?

派遣と業務委託、どっちで働くのが良い?

「派遣と業務委託、どっちで働くのが良いのか?」ですが、どちらもメリット・デメリットがありますので、自分に合った働き方を選ぶと良いです。

派遣は派遣会社のサポートを受けながら働くことができます。
キャリアの相談やスキルアップの支援、仕事や職場環境で困った時に派遣会社のサポートを受けられるのがメリットです。
一方で有期雇用のため長期雇用になりにくいことや、時給制のため月によって収入額が変わるなどのデメリットもあります。

業務委託は自分のペースで働くことができます。
仕事のやり方や働く時間、勤務場所などを自分で決めて働ける自由度の高さがメリットです。
実力主義の働き方のため、難易度の高い仕事では高単価の仕事も見つかります。
一方で成果物を完成させないと報酬が支払われないことや、仕事をもらうための営業活動が必要なこと、契約・保険・税金などの事務手続きを全て自分でする必要があります。
会社員ではないので福利厚生などもなく、体調管理や自己管理も重要になります。

まとめ

今回は派遣と業務委託の違いについて紹介しました。

派遣は業務を遂行すること、業務委託は成果物を完成させること(委任/準委任の場合は業務の遂行)を目的としています。
その他、雇用主や労働条件など働き方に違いがあることも紹介しました。

最近は業務委託の仕事も多いため、個人事業主(フリーランス)を考えている人は業務委託についてしっかりおさえておきましょう。

派遣が初めての方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

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