2024年04月02日

派遣と出向の違いとは?それぞれの違いをわかりやすく解説

派遣と出向の違いとは?それぞれの違いをわかりやすく解説

今回は「派遣と出向って何が違うの?」そんな疑問に答えます。

派遣も出向も、どちらも所属する企業とは別の企業で働くので似ているように見えますが、両者の仕組みは全く違います。

この記事では、派遣とは?出向とは?から、それぞれの仕組みについて詳しく説明します。
それぞれの働き方の特徴や異なる点を理解して、自分に合うキャリアを選択しましょう。

派遣と出向とは、どのような状態を指すのでしょうか?まずは定義について説明します。

目次

※運営会社「日本リック」について
日本リックは1984年設立の総合人材サービス会社です。規模こそ大きくないですが、取引先企業や派遣で働くみなさんとの信頼関係を大切に、満足いただけるサービスを提供しています。
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人材派遣とは?

人材派遣とは派遣会社(派遣元)と雇用関係にある派遣社員が企業(派遣先)で働くことです。
派遣社員と雇用契約を交わしているのは派遣元になり、派遣先から業務内容の指揮命令を受けて働きます。派遣には一般派遣(登録型派遣)・無期雇用派遣(常用型派遣)・紹介予定派遣の3種類があります。

派遣とは?

一般派遣とは?(登録型派遣)

一般派遣で働く場合、労働者(派遣社員)は派遣元と雇用契約を結び、派遣元から紹介された会社(派遣先)で働きます。
派遣社員は派遣先から業務の指揮を受けて働き、給与の支払いや社会保険加入・福利厚生の適用は派遣元から受けます。派遣は期間の定めのある有期雇用です。
原則として同じ派遣先で就業できるのは最大3年間という期間制限があります。

無期雇用派遣とは?

無期雇用派遣(常用型派遣)とは派遣会社(派遣元)と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣先企業で働きます。一般派遣(登録型派遣)のように、3年間という期間制限は適用されないため長期間の勤務が可能です。
無期雇用派遣は派遣先での契約期間が終了しても、派遣元との雇用契約は継続されます。次の派遣先が決まるまで原則給料が支払われます。

紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣とは、派遣先の企業に直接雇用される予定で一時的に派遣社員として働きます。
派遣期間は最長6ヶ月で、派遣先と労働者の双方が合意すれば派遣先の直接雇用(正社員または契約社員)に切り替わります。

参考:
派遣とは何か?をわかりやすく解説!派遣の仕組みからよくある質問まで紹介

出向とは?

出向とは企業の人事戦略のひとつで、所属する企業(出向元)の社員が雇用契約を保ったまま、グループ企業・関連企業だけでなく関係性のない企業・異なる業務(出向先)で働くことです。
主な目的は、出向先の業績向上・社員のキャリア形成、技術指導・企業間連携の強化のために行われることが多いです。

在籍出向の仕組み

在籍出向とは所属する会社(出向元)と雇用契約は維持されたまま、グループ企業(出向先)などで勤務することです。出向中は2つの会社と労働契約を結んだ状態になり、定められた期間やミッションが終了すると出向元へ戻ります。

在籍出向の仕組み

転籍出向の仕組み

転籍出向(移籍)とは所属する企業(出向元)と雇用契約を解消した上で、新しい企業(出向先)などで新たに雇用契約を結び直します。
出向元との雇用関係は契約を解消するため籍が残りません。出向者が出向元に復帰することはほとんどありませんが、もし転籍出向後に出向元に復帰する場合、新しく雇用契約を結び直す必要があります。

転籍出向の仕組み

派遣と出向の違いとは?

派派遣と出向の違いとは?

雇用契約を結ぶ相手が違う

派遣社員は派遣元と雇用契約を結び派遣先で勤務します。派遣社員へ指揮命令を行うのは派遣先の担当者ですが、派遣社員と派遣先の間に契約関係はありません。
派遣元と派遣先は労働者派遣契約を結び、労働時間や担当業務、派遣期間などを定めます。

一方で、出向社員は出向先と直接雇用契約を結びます。
在席出向の場合、所属する企業(出向元)と雇用契約を維持したまま出向先とも雇用契約を結んで、出向先の指揮命令を受けて働きます。雇用契約が2つ存在することになるので就業規則や就業条件の適用、福利厚生など、どちらの契約に則るか事前に定める必要があります。

在籍期間が違う

有期雇用の派遣社員として同じ派遣先企業で働くことができる期間は最長3年と派遣法で定められています。
労働者派遣法により3年経過後も同じ派遣社員に働いてもらいたい場合、派遣元は派遣社員に対して以下いずれかの雇用安定措置を講じなければなりません。

・派遣先が直接雇用を依頼する
・新たな派遣先を提供する
・派遣元で派遣社員を無期雇用する
・キャリアアップを図るための教育訓練・紹介予定派遣などを行う

一方、出向は法律で決められた契約期間がありません。出向先と出向元の取り決めによって変わりますが、短くても1年以上出向先で勤務するケースが多いです。

業務内容によって長期の勤務になることも珍しくありませんが、あらかじめ出向規定に期間の変更がある旨を明示しておく必要があります。

労働時間の変更方法が違う

派遣社員は派遣元と雇用契約を結んでいるため、派遣先は勤務時間が変更になっても派遣社員に変更について命令する権限はありません。派遣先の権限は業務の指揮命令権のみなので、もし勤務時間を変更したい場合は派遣元と協議した上で変更する必要があります。
また、派遣社員が時間外で勤務する際は派遣元と派遣社員が36協定を締結しなければなりません。

在籍出向の場合、出向元と出向先が協議して出向者の労働条件を決定しますが、出向先の労働条件を適用するのが一般的です。
出向先の労働条件を適用する場合、出向者が時間外で勤務する際は出向先と出向者が36協定を締結しなければなりません。

給与の支払いが違う

従業員に給与を支払うのは雇用関係を結んでいる会社なので、派遣社員の場合は派遣元が支払います。
社会保険や有給休暇についても派遣元で加入・適用されます。

在籍出向の場合、出向者は出向元・出向先と雇用関係を結んでいます。給与の支払いは出向元・出向先が取り交わした出向契約においてどちらが支払うか定めます。給与水準は出向元に合わせるのが一般的です。
転籍出向の場合、出向先のみ雇用契約を結んでいるため、出向先から給与が支払われます。出向元よりも出向先の給与水準が低い場合は、給与も下がることが多いようです。

偽装出向って何?

偽装出向って何?

偽装出向とは、契約上は出向の形式をとりながら、実態は労働者供給に該当する契約形態のことです。
労働者供給を「事業」として行うことは職業安定法により禁止されています。
通常の出向は雇用機会の確保・経営、技術指導・職業能力開発・企業グループ内の人事交流を目的としており、「事業」として行われていません。
しかし出向契約の名目で反復・継続的に他社の指揮命令下で働かせた場合は「事業」として行っていると判断され、罰則の対象でとなります。

参考:
労働者派遣と在籍型出向との差異(厚生労働省)

まとめ

派遣で働くメリット、デメリット

派遣とは?出向とは?から、それぞれの仕組みや違いについて説明しました。
派遣にまつわる関連記事もまとめたので、自分に合ったキャリア・働き方を見つける一助になれば幸いです。

関連記事:
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